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QIDI Plus 4 実機検証

前回の第1弾(導入編)では、QIDI Plus 4を「なぜ買ったか」「セットアップで何を感じたか」を書いた。

今回は 実機検証編。QIDI Plus 4 で PC(ポリカーボネート)を強度プリントし、加速度・印刷速度・チャンバー温度を変えながら 引張試験で実測する。

どの設定が一番強いのか」を、感覚ではなく 数値データで出すのが本記事のゴールだ。導入から1年以上、PCで実物の引張試験を何度も回し、条件を変えると強度がどう変わるかを数値で導いた。結論から言うと、設定次第で強度は 24%変わる


結論ファースト:副業で使うなら、この設定

項目推奨値理由
チャンバー温度65℃層間接着が改善、PC反りも抑制
パーツクーリングFAN30%過冷却を抑え引張強度を最大化
加速度4,000 mm/s²デフォルトの10,000 mm/s²はVFA(縦縞)の原因

これだけ覚えて帰ってもらえれば、この記事は読まなくても元が取れる。詳細は以下に続く。


KlipperとInput Shaperで縦縞(VFA)を消した

QIDI Plus 4 で出力したパーツの表面品質

QIDI Plus 4は Klipper搭載で、Input Shaperによる振動補正がデフォルトで効く。が、納品されたままの設定だと、ロードバイク用のサドル直付けマウントを刷ったとき、側面に細かい縦縞(VFA: Vertical Fine Artifacts)が出た。

原因は 加速度が10,000 mm/s² と高すぎること。Klipperのコンソールから 4,000 mm/s² に下げ、Input Shaperの再キャリブレーションを実行したら縦縞は消えた。

副業で使うなら見栄えは命。出荷前に剥がす研磨工程が消えるだけで、1個あたり3〜5分の作業が浮く。月100個刷るなら 月5〜8時間の節約だ。


引張強度テスト|チャンバー加熱と冷却条件で24%変わる

引張試験のテストピース

ここが本題。実物のテストピース(ポリカーボネート・積層ピッチ0.12mm)で引張試験を行った。

条件引張強度基準比
チャンバーOFF / 冷却FAN 100%311N100%
チャンバー65℃ / 冷却FAN 100%353N+13%
チャンバー65℃ / 冷却FAN 30%386N+24%

副業で「壊れた」というクレームが入ると、返品送料+再制作+信頼ダメージで1件あたり数千円のロス。強度24%向上は、感覚値ではなく売上に直結する数字だ。

特にロードバイク用の 荷重がかかるパーツ(サドルマウント・GoProマウント・ライトホルダーなど)は、この設定にしておくと安心して出荷できる。

「では、機能部品にはどのフィラメントを選べばいいのか?」── 開放型でも使えるものも含め 20種類以上を実測比較した動画にまとめています。素材選びの近道です。

💡 引張試験機を持っていない方は、自作引張試験機の記事も書いている。1,480円のばねばかり改造で十分使えるレベルだ。
👉 機能部品に最適なフィラメントは何か?開放型でも使える「最強」を実測で導いた結論


消費電力チェック|加熱チャンバー機は配電に注意

副業で3Dプリンタを増やすときに見落としがちなのが 電力だ。家庭用ブレーカーは1系統20Aなので、迂闊に増やすと落ちる。特に加熱チャンバー機は消費電力が大きい。

QIDI Plus 4 の実測値:

状態消費電力
平常運転(チャンバーON)約 480〜500W
立ち上げ最大約 510W

100V換算で約5A。チャンバーを温める分、開放型より一段電気を食う。加熱チャンバー機なら1系統に3台が目安で、それ以上を回すなら、別系統からの引き回しか200V化を検討する必要がある。

ちなみに筆者の自宅プリンタ室は計8台 ── Prusa MK4S 3台・MK3S 2台・Ender S1 Pro 1台(いずれも開放型)に、加熱チャンバー機の QIDI Plus 4 と QIDI Q2 を加えた構成だ。開放型は消費電力が小さく同時に回しやすいが、チャンバー機は電気を食うので、増設のたびにブレーカーの系統と残り容量を必ず確認している。


冷却対策|X/Y軸が100℃超 → ダクト追加で70℃へ

自作ダクトによる軸冷却対策

加熱チャンバーの宿命として、X/Y軸モーター付近の温度上昇がある。デフォルトのまま長時間運転(連続8時間以上)すると、軸温度が 100℃超えることが計測で判明。これは脱調の原因になる。

対策として、外部ファン+自作ダクト(もちろんQIDI Plus 4自身でプリント)を追加。軸温度を 70℃まで低減 できた。

このダクトのSTLも近々datsusaraで配布予定。続報待ち。


LAN接続対応|Wi-Fiが不安定な環境でも安心

QIDI Plus 4は 有線LAN接続が標準で対応している。Wi-Fiが不安定な環境や、セキュリティ上の理由で無線を避けたい場所でも、有線で直接ネットワークに刺せばKlipperの管理画面がそのまま使える。

副業の現場では「Wi-Fiが切れて深夜の長時間印刷が止まる」事故を防げる、地味だが効く仕様だ。


購入経路|公式サイトとAmazon

QIDI Plus 4 は公式サイトと Amazon で購入できます。乾燥機能付きAMS「QIDI Box」も合わせて選べる公式サイト、配送の速さを優先するなら Amazon、という使い分けです。

🛒 QIDI Plus 4 公式サイト
👉 https://jp.qidi3d.com/products/plus4-3d-printer?sca_ref=9488183.WI1hyOU0pP0uXe&sca_source=datsusara
🛒 Amazon版
👉 https://amzn.to/4nWU1Ly


まとめ|副業ラインに乗る11万円機

評価項目スコア備考
価格★★★★★11万円帯で加熱チャンバー+Klipperは破格
強度(PC実測)★★★★☆設定次第で24%変動・最適化前提
静音性★★★☆☆通常運転は静かだが、加速度4,000以上で響く
業務適性★★★★★有線LAN・長時間運転OK
拡張性★★★★☆MMU対応など今後に期待

3Dプリンタ副業の 2台目導入機種・中級者以上向けとして、バランスが取れた1台。Bambu Lab X1Eほど高くなく、Prusa MK4Sでは届かない高温材料領域をカバーする。

Prusa Core One が既に発売されているが、コスパで選ぶならQIDI Plus 4。1年以上使ってきた今でも、この結論は変わらない。

チャンバー加熱が必要なアイテム(PC・ASA・PA系)を扱う限り、Plus 4 は今でも自分のプリンタ室で重宝している一台だ。


📝 後継機 QIDI MAX 4・弟分 Q2 について

執筆当初から1年が経過し、QIDIから後継機 QIDI MAX 4 が発売されました。

Plus 4 ユーザーとして1年間運用した実感では、Plus 4 で気になっていた フィラメント詰まり が時折発生していました(特にPC・ASA系の高温材料で)。MAX 4 ではこの点が アクティブ冷却 + 改良された押出機構で大幅に改善されているとのこと。加えて、MAX 4 は ノズル側オートレベリングセンサー を搭載しています。

一方、もっと予算を抑えたい・サブ機を増やしたいなら、7万円台の弟分 QIDI Q2 レビュー が選択肢になります。

比較項目Plus 4(本記事の主役)MAX 4(後継機)Q2(弟分)
価格約11万円/型落ち割引狙い後継機価格(要確認)約7.3万円
ビルドサイズ305×305×280mm大型継承270×270×256mm
フィラメント詰まり対策通常アクティブ冷却で改善ノズル側センサー世代
オートレベリング標準ノズル側センサーノズル側センサー
加熱チャンバー65℃65℃〜65℃

こんな人はMAX 4を検討:新規購入で長期運用を見越したい/PC・ASA系を本格運用したい。 それでもPlus 4を選ぶ価値がある人:型落ち割引で安く手に入れたい/枯れた機種の安定運用ノウハウを重視。 サブ機・入門で十分な人:弟分 Q2 でコストを抑える。


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ABOUT ME
つくはる
つくはる。地方在住のロードバイク乗り&3Dプリンタ愛好家。40歳手前からロードバイクに出会い、メタボ体型から脱却して以来ロードバイク歴15年以上。現在は「3Dフィット工房」の屋号で、3Dプリンタを使ったロードバイク関連オリジナル部品の設計・製造・販売を行っています。ブログでは実際に使った機材のレビューや自作パーツの開発ストーリー、副業・節約のリアルを等身大でお届けします。