7万円台で65℃の加熱チャンバーとKlipperを積んだQIDI Q2。複数台を並行運用している立場から、いいところも気になるところも正直に書きます。12種類のフィラメントを実際に通した試験データ付きです。

QIDI Q2 本体外観(正面・側面)
7万円台で65℃加熱チャンバー+Klipper標準のコスパ機


なぜPlus 4に加えてQ2も導入したのか

すでにQIDI Plus 4を持っているのに、なぜQ2も導入したのか——。理由はシンプルで、「価格を抑えて稼働台数を増やしたかった」からです。

ロードバイク用のパーツを受注生産していると、注文が重なる時期は1台では回りきりません。かといって上位機を何台も買うのは予算的に厳しい。そこで「Plus 4と操作系が共通で、もう一段安い機種」としてQ2が候補に挙がりました。

複数台運用の中でのQ2の役割は、「PETG-タフを流しっぱなしにする量産担当」「材料テスト用のサブ機」です。メイン機を止めずに新しいフィラメントを試せるのは、運用に余裕を生みます。

このあたりの「2台目以降の考え方」は、上位機のQIDI Plus 4 導入レビューでも触れています。


QIDI Q2 の基本スペック

まず数字を押さえておきます。

項目QIDI Q2
価格単品 ¥72,999/Combo ¥93,999
※2026年7月時点の公式サイト参考価格。販売先・キャンペーンにより変動します。
ビルドサイズ270×270×256mm
駆動方式CoreXY
加熱チャンバーあり(最高65℃)
ホットエンド最高370℃
最高速度600mm/s(実用は300mm/s前後)
加速度20,000mm/s²
ファームウェアKlipper 標準搭載
オートレベリングノズル先端がそのままセンサー(プローブなし・オフセット調整不要)
カメラ1080P AIカメラ(失敗検知・タイムラプス)
外形寸法402×438×494mm

注目すべきは、7万円台で65℃の加熱チャンバーと370℃ホットエンドを積んでいる点です。この温度域があると、PCやエンプラ系といった「反りやすい・高温が要る」素材に手が届きます。価格と機能のバランスは、現時点でもかなり攻めた設定だと感じます。

QIDI Q2 タッチパネル操作画面(Klipper UI)
Klipper標準搭載。ブラウザからフルコントロールできる


Plus 4 との比較|どう使い分けるか

同じQIDIのKlipper機でも、Plus 4とQ2では立ち位置が違います。

比較項目Plus 4Q2
価格約11万円約7.3万円
ビルドサイズ305×305×280mm270×270×256mm
加熱チャンバー65℃65℃
ホットエンド最高370℃最高370℃
オートレベリング標準プローブノズル先端センサー(オフセット不要)
立ち位置中級者・主力機入門〜中級・2台目/サブ機

チャンバー温度とホットエンド温度は同等。差が出るのは「ビルドサイズ」と「価格」です。大きめの造形や安定した主力運用ならPlus 4、コストを抑えて台数を増やす・材料を試すならQ2、という使い分けに落ち着いています。

操作系はどちらもKlipperなので、1台覚えればもう1台もほぼそのまま扱えます。この「学習コストの共通化」は、複数台運用で地味に効くメリットです。

QIDI Q2の最新価格・在庫は、公式サイトとAmazonを比較して確認できます。

複数台運用の棚に並ぶQIDI Q2(上段)とQIDI Box・他機
上段がQ2。複数台を並べ、PETG-タフの量産とフィラメントテストを分担している


12種類のフィラメントを通して分かったこと

ここがこの記事のいちばんの中身です。Q2に実際に12種類のフィラメントを通して、同条件で試した結果を共有します。試したのは大きく分けて以下です。

  • PETG系:QIDI PETG-タフ(チャンバー45℃/OFFの両方)、PRINSFIL PETG(黒・白)
  • PC系:PolyMaker PolyMax PC、PC-ABS、CC3D PC(クリア・黒)、Prusament PC Blend
  • ASA系:PRINSFIL ASA、PRUSA ASA
  • PLA系:PRUSA PLA Galaxy、ELEGOO PLA

分かったことを率直にまとめます。

材料グループテスト結果Q2での使い方・注意点
PETG系安定して造形。PETG-タフはチャンバー45℃で層間密着が向上機能部品の量産担当として常用
PC・PC-ABS系65℃チャンバーで反りを抑え、実用域高強度部品向け。材料ごとの事前調整を推奨
ASA系加熱チャンバーを活かしてテスト反りや層間接着を確認しながら条件調整
PLA系基本は問題なしシルク系PLAは層接着の弱さ・Zバンディングが出たため事前テスト推奨

機能部品向けのフィラメント選びそのものは、機能部品に最適なフィラメントは何か?(引張試験)でも掘り下げています。あわせてどうぞ。

▶ この比較は動画でも解説しています:【3Dプリンタ】機能部品フィラメント実測比較|1位はこれだった(YouTube・7分)

QIDI Q2 で印刷したロードバイクパーツのサンプル
PETG-タフを量産担当に。PC系もチャンバーで実用域に入る


良かった点

使い込んで「これは良い」と感じたのは次の4つです。

  • ノズル先端オートレベリングが楽。プローブを別に持たず、ノズルそのものがベッドに触れて測る方式。オフセット調整の手間がなく、立ち上げが速い。
  • Klipperが標準でPlus 4と操作共通。Input Shaperなどの調整もそのまま活かせる。
  • コスパ。7万円台で加熱チャンバー+370℃ホットエンドは、現時点で十分に競争力があります。
  • サポートが速い。ハード不具合の際、交換パーツが数日で届いたという声もあり、自分の運用でも対応は迅速でした。
ノズル先端オートレベリングセンサーのクローズアップ
ノズル先端がそのままセンサー。オフセット調整不要で立ち上げが速い


気になった点・注意点

アフィリエイト記事だからと持ち上げるつもりはありません。「安いなりに割り切りが要る機種」です。検討中の方が後悔しないよう、正直に書きます。

  • 冷却ファンがやや非力。細かい造形やオーバーハングで「もう少し冷やしたい」と感じる場面があります。ただ、ファンダクトを変更すると体感でかなり改善できるのがいいところ。3Dプリンタらしく自分で手を入れて伸ばせる余地があり、購入したらぜひ試してほしいポイントです。
  • Combo(マルチカラー/QIDI Box)は割り切りが必要。切り替え動作音が大きめで、フィラメント交換時に手動アンロードが要る場面があります。単ノズル方式ゆえ多色は時間と廃材もかかります。多色を最優先にするなら、用途をよく見極めてから。感覚的には完成度はBambuほどの完成度はないと思います。

総じて、「手をかけられる中級者のサブ機」として光る機種です。完全放置で完璧を求める用途には、もう一段上の機種が向きます。


こんな人に向く/向かない

向いている人

  • ✅ 加熱チャンバー機を7万円前後で探している
  • ✅ Klipper・Input Shaperを使いこなしたい中級者
  • 稼働台数を増やす2台目が欲しい

向かない人

  • ❌ 箱出しで完璧な仕上がりを求める完全初心者
  • ❌ 大きめの造形が中心の人(→ Plus 4 推奨)
  • ❌ 静音性を最優先する設置環境
  • ❌ ストレスのないマルチカラーを最優先する人

購入経路|公式サイトとAmazon

QIDI Q2 は公式サイトと Amazon で購入できます。Combo(QIDI Box)も合わせて選べる公式サイト、配送の速さを優先するなら Amazon、という使い分けです。


まとめ|総合評価

評価項目スコア備考
価格★★★★★7万円台で加熱チャンバー+Klipperは破格
機能性★★★★☆必要な機能は揃う。エンプラまで届く
操作性★★★★☆ノズル先端レベリングは楽。ソフトに粗あり
拡張性★★★★☆Klipperベースで触りがいがある
サポート★★★★☆対応は速い。日本語ドキュメントは発展途上

QIDI Q2は、「割り切れる中級者の2台目」「材料を試すサブ機」として、価格以上の働きをしてくれる一台です。完璧な箱出し体験を求めるなら上位機が向きますが、手をかけて使い倒したい人には十分におすすめできます。

上位機が気になった方はQIDI Plus 4 導入レビュー、強度の実測が見たい方はQIDI Plus 4 実機検証(強度テスト)もどうぞ。QIDIシリーズで自分に合う一台を選ぶ参考になれば幸いです。


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ABOUT ME
つくはる
つくはる。地方在住のロードバイク乗り&3Dプリンタ愛好家。40歳手前からロードバイクに出会い、メタボ体型から脱却して以来ロードバイク歴15年以上。現在は「3Dフィット工房」の屋号で、3Dプリンタを使ったロードバイク関連オリジナル部品の設計・製造・販売を行っています。ブログでは実際に使った機材のレビューや自作パーツの開発ストーリー、副業・節約のリアルを等身大でお届けします。