クランク

【ロードバイク】ショートクランクの効果とメリット・デメリットを考えてみた!

ロードバイクに乗り始めて早7年が経過していますが、あまり考えたことが無かったクランクの長さについて最近気になっています。

筆者の身長は165㎝に対し、クランク長は170㎜をずっと使用しています。特に、こだわりがあるわけでもなく、始めた購入したロードバイクのクランクが170㎜だったのがその理由。

※現在の愛機のピナレロも、フレームサイズによりクランク長が決められています。

クランク長が気になり始めたきっかけとしたは、NHKのチャリダーだったと思いますが、ツールドおきなわの特集でレース直前にクランク長を短くして好調だというのを耳にしたのがきっかけです。(誰がとかは覚えていませんが)

漠然としたイメージとしては、クランク長は長いほど、てこの原理が働いていいのでは?程度にしか思っていませんでした。

この記事では、クランク長について考えてみたという内容となっています。特に身長170㎝以下の人はいまのクランク長は長いかも?って話になっています。

適正なクランク長とは?

まず最初に、そもそも最適なクランク長というものがあるのか、調べてみると大体以下の4つが検索でヒットします。

上記に当てはめると身長165㎝の筆者の場合、

  1. 身長 ÷ 10 = 165㎝ ÷ 10 = 165㎜
  2. 股下 × 1.25 + 65 = 73.3 × 1.25 + 65 = 156.6㎜
  3. 身長 ÷ 10 – 5 = 165㎝ ÷ 10 – 5 = 160㎜
  4. 身長 × 9.7% = 1650㎜ × 9.7% = 160㎜ 

この結果から、身長165㎝に対し、クランク長が170㎜と言うのは少し長すぎという結果となりました。

それにしても、様々な説があるので一概にどれが良いとは言い切れませんが、上記の結果からいうと、クランク長の候補としては、165㎜、160㎜、157.5㎜が自分に合うクランク長の候補となりそうです。

長すぎるクランクのデメリットは?

現状の170㎜のクランク長は長すぎるとインプットされた為か、ライド中にもクランクが長いデメリットを考える様になりました。

結果、2つの点が気になり始めました。

  1. ペダリングの上死点での引っ掛かり
  2. エアロポジションの窮屈感

①ペダリングの上死点での引っ掛かり

これは前々から思っていましたが、上死点近くでの動きがギクシャクしているというか、スムーズなペダリングを阻害していると感じていました。そのため、ケイデンスを上げるのは正直苦手です。

また、なんとなくですが、足の軌道が遠回りな感じもしてました。

(クランクの長さを気にしないときはそうでもなかったですが・・)

②エアロポジション時に窮屈なペダリング

上半身を伏せて、ペダリングすると時に、さらに窮屈さを感じています。

(まぁ、デブでお腹が出ているのも窮屈にさせている原因ですが・・)

巡航速度を高めて、長時間走るためには上半身を伏せることは空気抵抗を減らすためには必須です。でもこのポジションを長時間保つためには、窮屈さはネックとなっています。

これは、速度を上げれば上げるほどデメリットになります。パワーをいくら上げても、空気抵抗に負けてしまいます。パワーを上げるより空気抵抗を減らすポジションの方が現実的かつ即効性があると思います。

上記の2点からもショートクランクにしたいという思いが強くなってきました。

ショートクランク化のメリット・デメリット

クランクを170㎜から160㎜とショートクランク化したことを想定し、どんな影響があるのか考察していきます。

メリット①ペダリングの窮屈感の改善

クランク長さ変更の影響

ショートクランク化することで、ペダリング時の窮屈さはかなり改善されるはずです。

具体的には、クランク長を仮に170㎜→160㎜とした場合に膝を上げる高さは以下の様に変化すると推測されます。

  1. ショートクランク化することで、上死点が10㎜下がる
  2. ショートクランク化することで、下死点が10㎜上がる
  3. 下死点が10㎜下がるのでサドル高を10㎜上げる

上記により、サドルの位置と膝の高さは20㎜余裕が生まれることになります。

筆者の場合、ペダリング時に窮屈さを感じていたので、この20㎜の余裕ができることで、ペダリングがスムーズになればかなりのメリットになるはずです。

メリット②周長が短縮でケイデンスを上げやすくなる!?

ショートクランク化することで、クランクを1回転させたときの円の軌道は当然ですが短くなります。

実際にクランク長が170㎜と160㎜だと、長さにして10㎜、5.9%の短縮となります。

周長でみると、170㎜クランクで1067.6㎜、160㎜クランクで1004.8㎜となります。

ここから計算が続きますが、、、

ケイデンスが90rpmだとすると、1分間で

170㎜クランク:1067.6㎜×90rpm=96,084㎜/min

160㎜クランク:502.4㎜×90rpm=90,432㎜/min

となり、なんと5.65mも周長に差が出ます。

1時間となると、約340m!

また、170㎜クランクでケイデンス90rpmと同じペダリング(周速)だと160㎜クランクではケイデンスが95.6rpmとなり、6.2%もアップします。

つまり、

ショートクランク化でケイデンスが上げやすくなる!

ということです。

メリット③省力化!?

クランクのショート化によって、足の動かす距離が短くなります。つまり1回転させるのに必要なエネルギーは減るので省力化につながる訳です。

ではどの程度のメリットがあるのか、ちょっと無理やり計算してみると・・・

ざっと、3.2W程度の省力化につながるのではないかと思います。(自信ないですが・・・)

まずペダリング時は、踏み込む場合はロードバイクを進める推進力となる代わりに、反対側の足は、足を持ち上げるために筋力を使います。(厳密には引き足で推進力にもなります)

足の重さですが、意外と大きく、体重の34%が足の重さらしいです。体重65㎏と過程するると、22.1㎏にもなります。片足約11㎏の重さです。

この足をクランク長の2倍の高さまで持ち上げる運動をペダリング時に行っています。

つまり、クランク長170㎜なら、下死点から上死点まで340㎜足を持ち上げます。160㎜クランクなら320㎜となるので20㎜ほど運動量が少なくなるという訳です。

これを中学生レベルの物理問題として計算すると、

仕事(J) = 力(N) ×力の方向に進んだ距離(m)

力は足の重さとして、11.1㎏=108.3Nとします。距離はクランクの長さ×2とすると、

170㎜クランク : 36.8J

160㎜クランク : 34.7J

仕事率(W)= 仕事(J) × 時間(秒)

ケイデンス90rpmとすると、1回持ち上げる時間は

90rpm ÷ 60秒 ÷ 2(半回転のため) = 0.75秒

計算すると、

170㎜クランク : 27.6W

160㎜クランク : 26.0W

片足で1.6W、両足なら3.2Wの差が発生します。

意外と無視できない差が生まれますね!

メリット④ポジションの変化

①と同じことですが、ショートクランクにすると、サドルの高さを高くすることになります。そのため、より前傾姿勢が強くなりエアロ効果も高くなるはずです。

また、見た目的にも、ハンドルとサドルの落差が開くのでかっこよく見えるというメリットもw

デメリット①力の減少

ショートクランク化のデメリットはなんといってもテコの原理からいって、同じ力でペダルを踏んでも、力が減少する!ことが上げられます。

下記のページで詳しく説明されておられるので、このページを引用して計算すると、、

170㎜クランクと160㎜クランクでは、

170 ÷ 160 = 1.0625 となり

同じパワーを出すのに6.25%強くペダリングする必要がある!というのがデメリットです。

これはメリット②でケイデンスが6.3%上がる代わりに、パワーは6.3%下がるという関係になっています。

ショートクランク化による影響まとめ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: crank01.jpg

メリット、デメリットを簡単に考えてみましたが、身長165㎝で170㎜クランクをショートクランク化することで、メリットが多そうな気がします。

170㎜→160㎜化による影響

  1. ペダリングがし易くなる。
  2. ケイデンスが上がる。6.2%UP
  3. 足を引き上げる仕事量が減少
  4. エアロ効果が得られる。
  5. パワーが6.3%下がる。

①と⑤でメリット、デメリットが相殺

考えた結果、ますますショートクランク化したい思いが強くなりました。

特に平地で巡航速度を上げる効果が高いと思います。エンデューロレースロングライドには、エアロポジションによるパワー削減や回すペダリングで疲労を低減させる効果を期待できます。

半面、ヒルクライムなどでガンガン踏むタイプのペダリングの場合は効果が少ないか、むしろデメリットになるかもしれません。

結局は自分に合うかというのは試してみないとわかりません。

20/10/7追記

ショートクランク化後、平地メインの300㎞ロングライドに行きましたが、上記の効果を強く感じました。足の残り具合、前傾ポジションの取りやすさからパワーを抑えながら、高い巡航速度維持できました。結果、300㎞と平均速度30㎞/m以上と自分でもびっくりするぐらいの効果です。

ロードバイクで300キロのロングライドに挑戦!平均速度30キロを達成するポイント! ロードバイクで200キロというと、ロングライドイベントでも開催される距離です。 それなりに練習すれば、早朝出発で日が落ちるまでに...

また、楕円リングと組み合わせることで、パワー低下分を補うどころかパワーも上がる結果となりました。バイクを自分の体に合わせるのって非常に重要だと感じています。

楕円リングとショートクランク化は相性最高!実データから効果を検証! ほぼ同時期に170㎜→160㎜へのショートクランク化とROTORの楕円リングQ-RINGを導入しました。 日々の練習や300㎞の...

クランク長を変更するには?

クランク長の候補は、165㎜、160㎜、155㎜の3つ。

この長さをリサーチすると、そもそも短いクランクって少ない!って問題が分かりました(´;ω;`)

まずはシマノのラインナップから、

シマノのラインナップ

結論からいうと、155㎜なんて存在しない。160㎜は105のみとなっています。身長が低い人には、ちょっと選択範囲が少ないのが現状。

クランク長さ105
R7000
ULTEGRA
R8000
DURA-ACE
R9100
160㎜  
165㎜
167.5㎜  
170㎜
172.5㎜
175㎜
177.5㎜  
180㎜  

クランク自体そこまで高くないので、一度試してみるのもありですね。

160㎜なら105で1.3万円、アルテグラでも2.4万円です。もし今のクランクが自分に合っていないとしたら、いくらいい自転車でも自分の能力を最大限に引き出してくれません。

余ったクランクはヤフオクやメルカリで売れば、上記の値段より実質は安く買える計算。

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ROTORのラインナップ

シマノ以外でショートクランク化できないか調べてみました。コンポまで変えると大がかりなので現状のシマノを使いつつショートクランク化する候補としては、ROTORというスペインメーカのものがありました。

アクスルシャフトが24㎜(シマノと一緒)と30㎜の2タイプがあります。BBまで変更を視野に入れると150㎜のショートクランクも存在します。

身長が低い人や子供にはうれしいラインナップです。

海外通販でも販売がありますが、160㎜以下のクランクはあまり在庫が無いようです。リアル店舗で取り寄せた方が良いかもしれません。

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パワーメータの問題

パワーメータを使用していない、クランク一体型のパワーメータ以外を使っているなら関係ない話です。

クランク一体型のパワーメータを愛用しているので、クランク長を変更するためには、パワーメータも買い換えが必要となります。

自分にショートクランクが合うかわからない時点では、中々決断しにくい。かといって、パワーメータなしでクランクを購入してもまた、あとでパワーメータ付きを買い替える必要がでてきます。(後付けする選択肢もあるが・・)

結局、筆者の場合はROTORのスパイダー内蔵型のパワーメータを導入しています。

ROTOR パワーメータ INSPIDERを選んだ理由とインプレ ロードバイクを乗る上で、パワーメータは非常に便利なツールです。 一度その恩恵を味わうと、無くてはならないアイテムの一つになってい...
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ABOUT ME
つくはる
1974年生まれ。40歳間際からロードバイクに目覚めて、メタボ体型を脱却。 最近は、3Dプリンタでオリジナル部品の製作や販売も行っています。