ロードバイクに乗る人のほとんどが、何かしらの数値を見ながら乗っていると思います。
一般的なところでは、速度、走行距離、走行時間、ケイデンス、心拍数、斜度などがあります。
ロードバイクに乗り始めたときは、時速何キロでたとか、何キロ走ったなど、
自己記録を塗り替えていくのが、ロードバイクの醍醐味だと思います。
ただし、自転車は自分の脚力のみで進む乗り物なので、風の向きや斜度などによって速度は大きく変化します。今日は調子がいいなぁ~なんて思ったら、追い風だった・・・なんてこともあります。
自分の実力や調子、成長度合いを正確に測るには、パワーメータが必要になります。
私自身、高額なパワーメータを購入する際にかなり迷いました。同額でホイールなどに投資するほうが確実に速くなると思ったからです。
ただ、パワーメータを既に付けている方々にヒアリングすると、
『自分の力を客観的に数字で捉えることができるので、とっても便利!』
『もっと早く購入すれば良かった!』
『速く走りたかったら、パワーメータは必須だよ!!』
など、買って損したなんて声は皆無で、なぜ買わないの?という具合に皆さんパワーメータ推しでした。
そんな声に押され購入しました。結果、パイオニアのパワーメータを使用したことにより、フォームが改善されて、より速く走れるようになりました。
パワーメータなんて本当に必要なの?って疑問に思っている方へ具体的な事例を踏まえ、紹介したいと思います。
パワーメータを実際に使って早くなった話
私自身がパワーメータを付けたことで最も顕著に効果があったのは、
パワーメータの使用によりフォームの改善に繋がり、お決まりの練習コースで大幅にタイムを短縮できたことです。
具体的には13分が12分へ約1分の短縮ができました。おおよそ8%のタイムの短縮となりました。この期間約1ヵ月程度です。
うまく上半身の力をペダルに伝えてあげると、効率よくペダリングができるとよく言われますが、頭では分っていても、実際に体をどう使ったら良いのか分かりませんでした。
うまく力を伝えているのか、自分では正直分かり難いですよね。
特に坂道では顕著で、5%以上の斜度は非常に苦手でした。20分程度続く坂道が終わるころには、肩がガチガチになってました。
つまり、頭ではペダルに上半身を載せているつもりでも、実際には腕や肩に力が入っており、ペダルにうまく上半身の力が入っていなかったのです。
パワーメータを付けると、どのようなフォームでペダリングするとパワーが出るのか一目で分かります。実際にパワーを見ながら走る訳ですから、
『お!この感じが一番パワーがでるし、楽に走れる』
ってポイントが分かりやすいです。それを繰り返すことで、効率の良い乗り方になっていきました。
具体的には、肩の力を抜いて、上半身の力が体幹を通じてペダルに伝わっている感じでペダリングすると、楽にパワーが出せることが分かったのです。
言葉では伝わりにくいのですが、パワーメータを付けながら走るとフォーム良し悪しがすぐに分かるので、コツを掴むのも早いです。
この結果をもう一度書きますが、一か月後には、練習コースで13分から12分へ1分程度のタイム短縮につながりました。
また、実際フォームの改善だけではなく、斜度が緩くなった区間も、一定のパワーを心掛けて走ることができるので、トータル的に速くなったと思います。これはパワーマネージメントが可能となった効果でもあります。
このようにパワーメータを付けることで、効率の良いフォームへの改善や、パワーを効率良く使う(パワーマネジメントする)ことで、速く走れるようなりました。
・頭では分っていてもフォーム改善は難しい!
・パワーメータを見ながらフォーム改善すると良し悪しが分かる!
パイオニアはペダリングモニター付き
パイオニアのパワーメータにはペダリングモニターも付いています。
ペダリングモニターは、ペダリングを30度毎にどの方向へ、どれくらい力が掛かっているのか測定してくれます。
この力のうち、推進力になっている割合をペダリング効率として表示してくれます。
下の図は、実際のペダリングモニタの画面ですが、赤い矢印は推進力になっていますが、青い矢印は、回転方向とは逆に力が掛かっています。簡単に言うとペダリングを邪魔している力が掛かっています。
いくら力を入れても、ペダルを回す方向に力を掛けないと自転車は進みません。パワーも大事ですが、そのパワーを効率よく使っているかも大切な指標となります。
実際自分はペダリングが下手で、平均40%程度しかありませんでした。ペダリングモニターを付けることで、ペダリング効率が平均40%後半まで改善しています。特に、パワーを掛ける場面では、ペダリング効率がかなり改善しています。ただし、FTPの7割以下で走っているとペダリング効率は下がります。無意識に効率の良いペダリングができるようになるには、もっと練習が必要なようです。
この機能はあった方が良いと思います。しかし、優先度は、パワーメータです。余裕があれば、ぜひペダリングモニタ付きのをお勧めします。ペダリングが下手なら尚更です。
まぁ、付けないと下手かどうかも分からないのですが。でも始めたばかりでこの先速くなりたい方には、パイオニアのパワーメータがおすすめです。
更に、自分のペダリングを動画に撮って分析するとペダリング効率と合わせて自分の癖など把握し改善点が見えてくるのでおすすめです。
関連記事➤【ロードバイク】ペダリング効率の改善はまず動画撮影し分析しよう!
おすすめな買い方
いきなりフルセットで購入すると金額的に厳しい方(自分もそうでしたが・・)は、左側のクランクのみ先に購入することをお勧めします。特に、最初からクランクにセンサーが付いているタイプのものがありますので、それを購入するのが最も安いです。
また、クランクをパイオニアに送って取り付けてもらうなどの煩わしさもありません。
今付いているものはオークションに出せばその分安くなりますし。
サイコンですが、ガーミンを使っていればそのまま使用可能です。ゆくゆく、ペダリングモニタも使いたいとなれば、ペアリングモニタに対応したサイコンを購入すればOKです。
まず試したい方は以下がおすすめです。(ペダリングモニタには非対応)
ペダリングモニタ付きが欲しい場合は、ヤフオクなどで海外正規品のクランク付きがよく出ているのでこれが一番安いと思います。
海外通販で購入するなら、BIKEBUGと言うオーストラリアの海外通販サイトでクランク付きのパワーメータが販売されています。⇒リンク
パワーだけでなく、ペダリングモニタも試したくなったら対応する以下の記事で紹介しているサイコンを検討ください。
パワーメータのメリットとは
パワーメータのメリット
・自分の実力を数値として把握できる
・走る場面に合わせ力の配分が可能
・トレーニング強度を見える化できる
・MAXパワーの測定が楽しい
・目標の基準が分かりやすい
年々パワーメータは低価格なモデルが登場したこともあり、周りでもつける人が増えてきました。それでも、数万円~1数万円はしますので、その金額に見合うものなのか気になるところですよね。
ホイールなどと違って、直接的に(物理的に)速くなる機材ではありませんが、ロードバイクのエンジンである人間を鍛えるのに最適なアイテムです。どんなに良い機材を使用しても、結局はエンジン次第ですから。このエンジンを如何に鍛えるかが、速くなるのに最も重要な要素です。
メリット① 自分の実力を数値化できる。
では、どんなメリットがあるのかと言うと
・自分の実力を数値として把握できる!
具体的には、ペダルを漕ぐ力をパワー(ワット:W)として表示されますので、速度と違って外的な要因に左右されず、その時の状態を知ることができます。
冒頭で書いたように、追い風の場合
パワーメータを付けていない自分:
『今日の俺なんかイケてる!40キロでも余裕だぞ!!』
パワーメータを付つけた自分:
『普段と同じパワーで40キロもでているのか・・追い風が強いな・・』
といった違いです。
メリット② 走る場面に合わた力配分が可能
自分の実力を把握できるとロングライドやヒルクライム、などにもかなり役に立ちます。
自分の実力を測る指標として、FTPという値がよく使われます。当然、自分も意識して使います。
FTPとは、Functional Threshold Powerの頭文字をとった言葉で、1時間の間に出力し続けれる最大のパワーを表しています。簡単に言うと1時間全力で出し続けられるパワーです。
皆さんも経験があると思いますが、短距離を全力で走るとすぐに疲れますが、歩くと疲労は溜まりません。自転車も全く同じで、一定のパワー以下で走れば疲労度を抑えて長く走ることができます。
↓パイオニア HPより
そのため、FTPの値を基準にすれば、ロングライドの時は、パワーのマネジメントが容易になります。例えば、200キロを走るのには、平均時速25キロでも8時間必要となります。当然、FTPのパワーで走ると1時間しか持ちませんので、その後は足が無くなり走れなくなるのは容易に想像できますよね。
なのでFTPの70%程度を目安に走るといったような、パワーをコントロールすれば最後まで効率よく力を出すことができます。
また、ヒルクライムなどでも、このFTPを基準に斜度や速度を気にせずに一定のパワーで走るように心掛けると、パワーを効率よく出すことができます。
パワーメータを付けながら山を登ると、自分は斜度が緩くなった時にパワーを落としていることに気が付きました。斜度が緩くなった分速度は上がるので、速度を見て走ると無意識にパワーを下げて走っていたようです。ただ、タイム的には斜度が緩いところは、タイムを稼ぐポイントなので、パワーを落とさず走るのがタイム短縮のカギとなります。
同じように、エンデューロレースでも同じです。レースになると冷静さを失い易いので、明らかにオーバーペースになってしまいます。同じエンデューロレース(3時間耐久)にパワーメータがない状態で出場したときは、最初の1時間で力を使い果たし散々な結果でした。しかし、パワーメータを付けた後は、3時間オーバーペースとなることなく、最後まで走り切ることができ、3時間で走っ距離も大幅に伸ばすことができました。
パワーメータを付けることで
①走る距離、時間に合わせて効率よくパワー配分ができる。
②オーバーペースを防ぎ、最後まで走り切ることができる。
メリット③ トレーニング強度を見える化できる
自転車は大体外を走りますので、同じコースでも風向きや走る人数によってトレーニングの負荷(強度)が変わってきます。
パワーメータを付けていると、トレーニング強度をTSS(トレーニングストレススコア)という値で知ることができます。FTPのパワーで1時間練習した場合がTSS 100となります。
これを目安にして、トレーニングの計画を立てたりもできまし、単純に今日はだいぶ頑張ったなとか、思ったより強度高くなかったなど数値で判断できます。
また、疲労のコントロールにもこの値によって、休息日を設けるなども可能です。一般的には、
TSS 150以下なら翌日には疲労回復できるレベル、
TSS 150~300だと2日後に回復
TSS 300以上だと2日後も回復しない
といった具合です。
なので、300以上を超えたら翌日は回復走(ゆっくり走る)に留めたり、休息日にしたりといった感じです。
TSSを使って自分が一番驚いたのは、ローラー台は思った以上に負荷が少ないってことです。ローラ台で1時間漕いでも、外で走る強度の半分程度といった具合です。辛い割には、強度が少ない・・・ローラーはほんと修行ですね。
メリット④ MAXパワーの測定
パワーメータを付けることで、時間あたりの平均最大パワーを表すMMP(Mean Maximal Power)を知ることができます。
簡単に言うと、ある期間の1秒平均最大○○W、20秒平均最大××W、20分平均最大△△Wというデータです。このデータをグラフ化すると、自分の脚質が分かります。
短時間で高出力が出せるスプリンターなら、グラフの左側が高くなりますし、長時間一定の出力が出せるルーラーやクライマーなら、右側の落ち込みが緩やかになります。
簡単に言うと自分の特性が瞬発力に長けているのか、長距離タイプなのかが分かります。また、過去のデータと比較して、成長の度合いも分かりますし、弱いところを鍛えるといった使い方もできます。
一番分かりやすいところだと、MAXパワーですね。全力で漕いだ後に、サイコンでMAXパワーを確認すれば、MAXパワーが更新できたのか直ぐに分かります。
この値を見て自分の成長を実感できますし、ハンドルを持つ位置やペダリングの仕方によって変化するので良し悪しを判断できます。
自分はロードバイクに乗ったら一回は、全力で数秒間漕いで、現状のレベルを把握しています。何気に、このMAX値を更新できると楽しいものです!
メリット⑤ 目標の基準が分かりやすい
例えば、ある峠を速く走りたい場合、目標タイムがあると思います。そのタイムを出すのにどれくらいのパワー(FTP)が必要なのか計算できます。
過去の平均ワットで走ったのか分かっていれば、それ以上で平均ワット数で走らない限りタイムは更新できません。なので、目標のワット数を決めて走るといった感じです。
また、例えば一流選手のFTPの値からタイムを計算できます。馴染みのコースを例えばクルス・フルームが走ると何秒で走るのかなんて妄想すると、面白いですよね。
メリット⑥ 三本ローラー台の練習に最適
三本ローラーはペダリングのスキルアップやバランス感覚を養うにはおすすめですが、強度を上げた練習はし難いです。と言うか、感覚的には頑張っている(負荷を上げている)つもりでも実際に負荷は低いことが多いです。
そんな時にパワーメータがあれば、負荷を確認しながらトレーニングできます。
まとめ
パワーメータをまだ付けてない方へ
自分自身がパワーメータの購入を迷っていましたが、今ではもっと早く購入しておけば良かったと思っています。
これって、自分が買う前に諸先輩方に言われていた言葉ですが(笑)
正直、パワーメータを付けた後は、速度よりパワーをメインに見ています。心拍計に至っては、着けてすらいないです。
何を見ているかと言うと、3s平均パワー、LAP平均パワー、左右のペダリング効率、斜度をメインに見ています。
練習も、今日は平均180W縛りとか、いつものコースをLAP平均240Wを目指すとかそんな使い方をしています。
練習後半にはTSS(トレーニングの強度)を見て、足りない場合は追い込みを掛けますし、高ければ今日も頑張ったと余韻に浸りながら帰路につきます。
ロードバイクは、自己との戦いでもあるので、その戦いをリアルな数字で示してくれるのがパワーメータです。
ホイールなどの機材を替えた時も、パワーメータがあればその効果を実感することも可能です。例えばホイールを替える前は200Wで32km/hが交換した後は200wで35km/hなどと言った具合に。
ぶっちゃけ、いろんな機材にお金を掛けるよりも真っ先にパワーメータを買うべしと思います。
機材でパワーアップするのは、一定の効果しかありませんが、自分自身の成長は無限にあります!(いや~限界はあるけどw)
ほんと最近はパワーメータが安くなっているので、ぜひ検討してほしいです。
クランク長を変更するかもって人にはRotorのパワメがおすすめです。
・自分の実力を数値として把握できる
・走る場面に合わせ力の配分が可能
・トレーニング強度を見える化できる
・MAXパワーの測定が楽しい
・目標の基準が分かりやすい
・フォーム改善によりタイムの短縮に繋がる!
・パワーマネジメントで力を出し切れる!