ほぼ同時期に170㎜→160㎜へのショートクランク化とROTORの楕円リングQ-RINGを導入しました。
日々の練習や300㎞のロングライドで1500㎞のデータ蓄積。
楕円リングとショートクランクは効果があったのか、データで確認しました。
結果、確実にパワーが上がり、ロングライド時の疲労も低減されています。
クランクおよびパワーメータをROTORへ変更すると言う筆者にとっては、大きな出費でしたがその効果は絶大!
楕円リングやショートクランク化ってどうなの?って思っている方へ参考になればうれしいです。
楕円リング+ショートクランク化の効果
CP(クリティカルパワー)のデータと、使った感想をまとめると以下のようなになります。
【CPデータより】
- 1分前後の領域では20%近くパワーが上昇
- 1時間から3時間の領域も20%以上のパワーが上昇
- MAXパワーもわずかに上昇
- 1分~20分の上昇率は平均5%
【数値以外のこと】
- ショートクランクによるペダリングが回しやすい。
- ケイデンスが上げやすいので、踏むより回す感じ
- 回す感じだが、楕円リングのお陰でパワーは上がる。
- ①~③のお陰で疲れが低減された。(足が残る)
- 1分程度の短時間、高強度時に乳酸が溜まり難い
- インナーからアウターへの変速性能は悪化
- ショートクランク化でエアロポジションが取りやすい
- 心配していたチェーン落ちはなし
【簡単に言うと】
ショートクランク化と楕円の組み合わせにより
- パワーが上がる!
- 疲れにくい!
- エアロポジションで平均時速が上がる!
一つ一つ紹介していきます。
パワーの上昇について
パワーの値が上がったのは、楕円リングの効果と言えます。期間は短いですが、170㎜→160㎜へショートクランクを導入して3日間走りましたデータをみると、パワーは下がる結果となりました。期間の短さや追い込んで走っていないのでデータは参考になりません。
感覚的にはパワーが落ちた感じませんし、データ少ないだけだと思っています。もう少し期間を設ければ良かったと反省。
で本命の楕円リングです。
CPの値が改善しているのは、パワーが上がったというより、ペダリング効率が上がった、また疲れ難くなったことの2つが影響していると推測。
まず楕円リングの効果を最も感じたシチュエーションは、いつも走っている朝練コースの短い登り。600mで6%と短いため、FTPの1.6~2倍と程度のk強度で走り、ゴール付近ではいつも乳酸がかなり溜まりきついポイントとなっています。
楕円リングを付けていつものように、走り始めると、いつもと同じように踏んでいるのに若干パワーは高めに出ている。後半に差し掛かると、いつもなら乳酸が溜まり足が動かなくなるはずが、足がまだまだ動く!そのため、ゴール地点まで更に踏んで昇れたことが驚きでした。
普段は1分30秒前後のタイムが、1分23秒と7%近い短縮。それではと別の日は前半を普段より飛ばして入ることで、タイムアップを狙った結果、ほぼベストタイムに近い1分14秒と17%ものタイム短縮。この結果から、楕円リング効果の高さを実感する結果となりました。
楕円リングはスプリントには向かないとの情報をよく目にしますが、MAXパワーも僅かですが上昇しています。しかし、これは実感としてはよくわかりません。パワーメータをパイオニアからROTOR製に変更したため、測定誤差の範囲かもしれません。
更に感じたことは、ロングライド時のパワーが上がっていること。これも実感としては確かにありました。特に300㎞を平均時速30㎞/hで走り切った時に感じた、足の疲れが少ないこと。後半でもFTP近くでペダリングできたのはちょっと自分自身驚きでした。
要因としては、ショートクランクで明らかにペダリングしやすくなったこと。楕円リングで効率が上がった分いつもよりパワーが出せていることだ思っています。
データで比較してみると想像以上のデータにビックリしています。コロナ過が収まったら、エンデューロレースなどでこの効果を実感してみたいところですね。
ペダリングについて
ショートクランク化でケイデンスも自然と上がる!
ショートクランク化も楕円リングもペダリングに変化をもたらすアイテムです。
まず、ショートクランク化ですが、身長165㎝である筆者は6年ちょっとの間ずっと170㎜クランクを使用していました。
今回は170㎜→160㎜へ変更しています。170㎜から160㎜化で1周当たりの距離が5.9%短くなり、足を上げる高さも20㎜低くなります。
つまり、1回転当たりの足の運動量は減ることになります。その代わりに計算上は、てこの原理で同じパワーを出すのに6.25%強くペダリングする必要があります。
で実際どうなのか?
最も感じたことは、足を上げる高さが20㎜下がったことの恩恵です。いままでは、太ももを無理やり上げていたことに気が付きました。よく、引っ掛かりのないペダリングになると言われますが、まさに上死点での引っ掛かりがなくなり、ペダリングがスムーズになった。これに尽きる。
一方で力が入らなくなったかと言うと、ゼロ発信時に確かに感じましたが、それ以外はケイデンスが上がる、ペダリングがスムーズにできるメリットに打ち消されている感じです。
ショートストローク化で、ペダルが回し易くなった効果が一番大きい!
次に楕円リングです。
ROTORのホームページでは慣れるのに10時間程度かかると書いてありましたが、筆者の場合はほぼ違和感がありませんでした。
ワザとに6時付近で下方向に力を掛ける感じにペダリングすると、下死点付近でふっと力が抜ける感じはあります。が普段のペダリング時には特に感じることはありませんでした。
これは、自分のペダリングと楕円リングのピークがぴったり合っていたことが原因だっと思います。
ROTORのパワーメータでは楕円リングの最適な位相を測定できる機能がありますが、自分の場合はOCPが3で最初に組付けた標準位置とマッチしていたので違和感がなかったのではいかと思います。
楕円リングとペダリングが合わない時は、違和感を感じたり本来の性能を引き出せない恐れがあります。
ポジションの変化の効果
ショートクランク化の効果は、一つは上で書いたようにペダリングがしやすくなったことが大きい。特に太ももを引き上げる高さを下がったことで、無理して太ももを上げる感覚が無くなったのは大きい。
それに加えて、エアロポジションが取りやすくなったのは、巡行速度を上げる上でかなり有利に働いている感触がある。
肘を畳んで乗っても、太ももに当たらなくなったので、空気抵抗はかなり減っており、同じパワーでもスピードの乗りが明らかに良くなった。
300㎞のロングライド時もこの空気抵抗を削減できた効果がかなりあったと思われる。
ショートクランク化の効果でペダリングしやすくなる。
楕円リングの効果でさらにペダリング効率が高まる。
エアロポジションが取りやすく、少ないパワーで速度を上げれる。
つまり出力は高まり、抵抗は減るので速度も速くなるし、そもそも同じパワーを出すのエネルギー消費は恐らく減っている。つまり燃費も良くなったと思われる。
変速性能について
変速性能は交換後にしっかりと調整した直後は良かったものの、1000㎞程度走ったところから、インナーからアウターに変速する場合にうまくいかないことがあります。
症状的には、リアスプロケットが中央よりロー側だとうまくなかなかアウターに入らないといった感じです。逆に言うとリアスプロケットが中央よりハイ側にあれば変速を失敗することはありませんでした。
調整が面倒なので調整していませんが、チェーンの伸びなどにシビアなのかもしれません。
現在デュラチェーンを使用していますが、ROTORと相性が良いと言われるKMCに今度は交換し変速性能を見たいと思います。
また、チェーン落ちは1500㎞の間では一度も発生していません。チェーンキャッチャーを付けていたお陰かもしれませんが。
おすすめの楕円リング
楕円リングと言ってもいろいろなメーカが販売しています。その中でも、これはと思う楕円リングを紹介していきます。
ROTOR(ローター) Q-RING
ROTOR Q-RING
ROTORは様々なコンポーネントに対応しており、価格も手頃です。国内通販サイトでも、アウター1.3万円、インナー0.8万円と2万円ちょっとで導入が可能です。
当然シマノにも対応しており、チェーンリングのみ交換することが可能です。
楕円率も比較的少なく、初めて導入する人にも違和感は少ないと思います。
楕円は人によって合う、合わないがあるようですが、ペダリングと楕円の相性が悪いと、楕円リングのメリットを最大限引き出せないためだと思います。
その点ROTORは、楕円リングの位相を細かく設定を変えれるメリットがあります。これにより、楕円リングにペダリングを合わすのではなく、自分の走りに楕円リングを合わせるといったセッティングが可能です。
また、自分に最適な位相を測定してくれる機能を持ったパワーメータも販売しており、まさに楕円リングを使い倒すならROTORがおすすめです。
シマノの場合9100系/8000系と9000系/6800系と楕円リングが異なりますので注意が必要です。また、9100系/8000系の場合は専用ボルトが必要となりますので要注意です。
9000系/6800系ならアウターリングのみ交換すればOKです。また、位相を楕円リングのみで変更できるタイプもあるので9000系/6800系の人には特におすすめです。
↓カバーセットの必須↓
位相調整可能
RIDEA
RIDEA DUO-OVAL チェーンリング
RIDEAの楕円リングは、純粋な楕円ではなく、デュアルオーバル形状。その見た目からも、結構単純な曲線でないことがわかります。
ROTORの楕円リングが最大直径範囲(いわゆるピーク)が10°程度に比べRIDEA40°を幅が広いのが特徴です。
変速性能にも拘って作り込んであります。
楕円率も初心者からプロ向けまでラインナップも豊富です。
デメリットは若干高価な点がマイナスポイント。
↓段差を無くすカバー↓