ロードバイクのパーツの中で、もっとも走りに影響するホイール選びはいろいろ悩みますよね。下手をするとフレームより高い高級ホイールも多く存在します。
今回紹介するのは、シマノ デュラエースのホイールです。
デュラエースの中でも、2016年に発表され、2017年から発売されているWH-R9100シリーズのC40、C60についてです。
私自身、何を血迷ったのかWH-R9100-C60のカーボンチューブラーを購入していますので、その経験を踏まえ、おすすめできるホイールなのか紹介していきますが、
結論から言うと、踏みたくなるとっても楽しいホイール!!ってことです。
WH-R9100-C60はついつい踏んじゃうホイールです
いきなり、インプレから書きます。特徴などは後半に書いていますので興味があればそちらもご覧ください。
まず自分のレベルですが、ロードバイク歴5年で、ロングライドのイベントや、草レースなどに参加しています。分かり安いところで言うと、鈴鹿サーキットでのアタック120で3時間10分程度で走るレベルです。
普段使っているホイールは、フルクラム レーシングゼロ、Roval Rapide CLX 40(共にクリンチャー)ですので、これと比較したインプレとなります。
外観
まず第一印象は、なんといってもリム幅が広い!
25Cのタイヤをつけていますが、上から見るとタイヤの幅よりリム幅が広いのでリムが飛び出しています。いかにも空力がよさそうな印象を受けます。
また、シマノにしては、DURA‐ACEの文字のみで自分的には気に入っています。前モデルよりシンプルでカッコいいと思います。
使ってみた感想は?
平地では、このホイールのいいところしか目立ちません。ROVALの40ミリと比べても明らかに高速巡行速度が上がります。軽く流しても30キロは余裕にでます。
レーシングゼロと比較すると、頑張って踏んで35キロでも、WH-R9100-C60なら楽々と35キロはこなせます。踏めば踏むほど進むので、気が付くと30キロ後半まで速度が上がっているといった感じです。
ここが一番おすすめなポイントですが、ほんとによく進むので、ついつい踏みたくなってしまうホイールです。気を付けないといけないのは、調子付いてどんどん踏むと足が無くなる(脚が付かれて動かなくなる)ので要注意です。
追い風の時って、スピードが乗るのでついつい踏みたくなりませんか?追い風で楽なはずなのに、調子にのってスピードを出しすぎて、逆に疲れてしまうなんてこと1度や2度は経験したことありますよね?
まさに追い風なのでもっと踏みたい・・・そんな感じと思って頂けたらイメージが付くかと思います。
乗り心地ですが、WH-R9100-C60>ROVAL>>>>レーシングゼロといった感じです。硬いかと思いきや、乗っていて楽なのは明らかにWH-R9100-C60です。ロングライドでも後半まで結構足が持ちます。(調子に乗ってガンガン踏まなければの話ですが・・)
ブレーキの性能ですが、これはレーシングゼロと遜色ないぐらいによく効きます。ROVAL(2世代前のモデル)と比べるとその差は歴然です。最新のモデルではそんなことは無いでしょうが、カーボンホイールの進化を感じます。
ディープホイールで気になる横風ですが、これは慣れてないとちょっと怖いかもしれません。ROVALの40ミリでは風の強い時でも多少は風の影響を受けますが、WH-R9100-C60は横風を受けるとハンドルが取られる感触があります。ただし、明らかに風が強いなぁーって思う日、以外は大丈夫です。
ただ、向かい風は明らかに楽です。D2形状の効果なのだと思いますが、他のホイールとは明らかに違いが分かります。
ヒルクライムでもディープホイールでありながら、重量はレーシングゼロより50g、ロバールとは100g程度の差しかありません。踏み出しの軽さはレーシングゼロが良いですが、掛かり具合はROVALやWH-R9100-C60の方がマイルドな感じで自分は好きですし、20分以上の坂では、安定的に力を入れられるROVAL、WH-R9100-C60の方がタイム的にも良い感じです。坂ではROVALがいいですが、下りのことを考えるとWH-R9100-C60のブレーキ性能が勝っているので、トータルではWH-R9100-C60に軍配があがります。
逆に、レーシングゼロやROVALと比べて劣る点は、
価格が高いので普段使いするのは気が引ける・・・(貧乏性なのかな)
リム幅が広く、壁に立てかけるときに注意しないとリムに当たり傷がつく。
ぐらいでしょうか?正直毎日でも使いたいホイールです。
R9100-C60を履くことで、今までより3~4キロ速く走れるので、ライバルに勝てたり、伸び悩んでいたタイムを短縮したり、より長距離のロングライドを楽しめると思います。
ガンガン早く走りたいって人や、遠くまで楽にライドをしたいって方にお勧めでるホイールです。確かに、高額ではありますが、シマノの耐久性を考えると損はないと思います。
・平地の平均速度が3キロ前後は早くなる。
・伸び悩んでいたタイムを短縮する手助けになる。
・ロングライドも楽に走れるようになる。
・高額だが、シマノの耐久性と性能を考えると損はしない!
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シマノ デュラエース ホイールの特徴
シマノと聞くと、品質の高さや耐久性の良さは誰もが納得するところだと思います。コンポでは圧倒的なシェアを誇っています。
そんなシマノのホイールですから、品質、耐久性、価格とどれも高いレベルの優等生的な製品が多いです。反面、フルクラムやカンパなどの海外メーカと比べると、地味なデザインが多いのが欠点ではありますが。
そんなシマノのホイールのトップモデルがデュラエースとなります。お値段も30万円以上といいお値段ですが、それほどの価値があるホイールだと思います。
デュラエースのホイールR9100シリーズの特徴
D2リム(C60のみ)
インプレのところでも書きましたが、D2リムと呼ばれるワイド幅のリム形状が特徴的で、優れた空力特性を生んでいるようです。単純にリム形状に25Cのタイヤを合わせて図を作成してみると以下に、リム幅が広いのかよくわかると思います。完全にリムの方が外にはみ出しています。実際の25Cをはめた状態で上から写真を撮った図も載せていますので、よくわかると思います。
カタログの説明では、リムとタイヤのギャップがなくなり、乱流(渦巻)の発生が抑えられることで空気抵抗を削減しているようです。
↓シマノのHPより
前モデルのWH-R9000-C50-TUに比べて16Wもパワー削減になっているようです。(ヨー角7.5°、25cタイヤ装着時)。16Wのパワーセーブということは、私の周りでパワーメータを付けている人を見ると、FTP180W~280Wで、自分は248W程度です。(FTPとは1時間維持できる限界の平均パワー)
なので簡単にいうと16Wのパワーセーブというのは、一般のローディで5%~10%力を抜いても、同じ速度が出せるということです。(同じディープホイール同士の比較でですよ。)
そもそもでディープホイールの効果も10%程度あると、NHKのチャリダーという番組で実験していました。ということは、最大で20%程度もパワーをセーブできてしまうということです。
なので、楽に走れる訳です。(まぁ、結局はその分スピードを出すので楽にはなりませんが・・)
↓カタログの説明図(シマノのHPより)
ちなみに、C40でもD2リムではないようですが、幅広のリムのおかけで2Wのパワーセーブを実現しているそうです。
OPTBAL&Extra-Wide Flange
スポークは駆動側である右14本、左7本の2:1の構成になっています。
ホイールの耐久性を決める要素にスポークテンションがアンバランスになるとスポークの緩みや破損が起きやすいようです。
OPTBALによって、スポークテンションのバランスを最適化し、かつ剛性UPにつながり、シマノの高い耐久性をもたらし、反応性もよくなるようです。
また、エクストラワイドフランジにより横方向の剛性アップと、駆動側と非駆動側でスポークの角度を変えることで、左右のバランスを均一化しねじれ剛性をアップさせています。
この2つの技術により高い耐久性とパワー伝達効率が上がるそうです。
実際、足が残りやすいのと、踏めば踏むほど進むことを考えると、入力した力が逃げずに回転力につながっている証拠だと思います。
WH-R9100-C40とC60のカタログ値
シマノのカタログから抜粋すると、重量は、C40で1384g、C60で1496gとデープリムの割には軽量です。お値段はどちらも同価格で税抜きで32万円程度になっています。
モデルNo | セット内容 | リム素材 | 重量 | 価格(税抜) |
WH-R9100-C60-TU | 前後セット | カーボン | 1496g | ¥316,315 |
フロントのみ | 666g | ¥145,636 | ||
リアのみ | 830g | ¥170,683 | ||
WH-R9100-C40-TU | 前後セット | カーボン | 1384g | ¥318,423 |
フロントのみ | 637g | ¥146,614 | ||
リアのみ | 747g | ¥171,816 |
※どちらもリムブレーキ用でディスクブレーキ用はR9170になります。
C40とC60 どっちがいい?
自分がC60を選んだ理由としては、レースに出るときや、遠征に行くときの特別感を味わいたくてC60を購入しました。40ミリはROVALがあったので同じのでC40は選択肢しませんでした。
普段でも使いたいし、山でも平地でもオールランダーで使いたいならC40をお勧めしますが、平地を気持ちよく走りたいし、草レースにも出たいと思うならC60をお勧めします。
なにより、C60の空力の良さは是非体感していただきたいですし、なんといっても自転車自体がとってもカッコよくなります!!
C40とC60では見た目が全然違いますよね。上がC60、下がC40を付けたPINARELLO DOGMA F10です。断然上のC60がカッコいいと思いませんか?
どこで買うのが安い?
海外通販サイトならbikeINNが、シマノ製品を取り扱っていますが、国内通販サイトでもかなり安く手に入れられる様です。
楽天のサービスを活用している人なら楽天、そうでなければAMZONがおすすめです。
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まとめ
・兎に角気持ちよく走れる。
・追い風のときのように飛ばしすぎに注意!
・乗り心地も抜群
・ブレーキの利きはアルミ並みによく効く!
・シマノなので耐久性もばっちり
・強風時の横風は要注意!
・ただし、向かい風には強い!よく進む。
注意点と残念な点
・立てかける時はリムが飛び出しているので要注意。
・価格は税抜きで32万円と結構なお値段!
・とにかく平地をガンガン飛ばして走りたい人にはほんとおすすめです。飛ばすとアドレナリンが噴き出る~って人にはまじでおすすめ。もっとアドレナリンが噴き出すことでしょう(笑)。
・単独でも楽しいですが、集団でローテをするときにもこのアドバンテージが大きな武器になります。
・兎に角、かっこいいロードバイクが好き!って方にも。横から見た迫力もありますし、まじかで見てもワイドリムは迫力満点です。
上記のような方はC60を買って後悔することはないと思います。高額ではありますが、それなりの価値はあると思います。
・初心者の方には向かないかもしれません。体幹がしっかりしていないと横風に振られたときに、転倒のリスクが若干高いかもしれません。
そんな方はC40がベストだと思います。C24もありますが、見た目はちょっと・・・て感じです。
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