『ロードバイクはどのくらいの速度が出るの?』と言う質問は、ロードバイクに乗っているとたまに聞かれることがあります。
簡単な質問の様で、実は非常に難しい質問だと思います。厳密に答えると、
『時と場合による』
と素っ気無い回答になってしますので、大抵は
『大体30km/hぐらいかなぁ~。頑張れば50㎞/hぐらいはでるかな』
と答えています。
この記事を読んでくれていると言うことは、そう言うことではなくてと突っ込まれそうなので、ロードバイクの速度について少し考えてみました。
ロードバイクはどのくらいの速度を出せるのか?
結論
- プロなら平均時速40㎞/h
- プロでスプリントで80㎞/h
- プロなら下りなら100㎞/h!
- 初心者なら20㎞/h程度
そもそも速度は距離(時間)に関係がある
イメージし易くするために、ロードバイクではなく、人間について考えてみました。
『人間はどれくらいの速度を出せるのか?』をまず考えると、
100mなら世界一速い ウサイン・ボルト選手で9秒58なので、時速37.6㎞!
時速でみるとめっちゃ速いです!
では、1時間で37.6㎞も走れるのかと言うとそれはないことは誰でも分かりますよね。短時間なら37.6㎞/hで走れるけど、精々200mぐらいまでだと思います。
では、1時間ではどれくらいの速度になるかと言うと、ハーフマラソンの世界記録が58分23秒だそうですので、時速21.7㎞となります。先ほどの37.6㎞と比べると随分遅くなりましたね。他のデータも比較してみると、フルマラソンで20.8㎞となります。
ちなみに歩く速度は、駅から徒歩何分など表現しますが、あれはあれは道路距離80mを徒歩で1分かかるものとして計算していますので、時速に直すと時速4.8㎞だそうです。
距離 (m) |
世界記録 (h:mm:ss.00) |
時速 (km/h) |
100 | 0:00:09.58 | 37.6 |
200 | 0:00:19.19 | 37.5 |
400 | 0:00:43.03 | 33.5 |
800 | 0:01:40.91 | 28.5 |
1,500 | 0:03:26.00 | 26.2 |
3,000 | 0:07:20.67 | 24.5 |
10,000 | 0:26:17.53 | 22.8 |
21,098 | 0:58:23.00 | 21.7 |
42,195 | 2:01:39.00 | 20.8 |
何が言いたいかと言うと、
人間は車と違い時間が長くなるほど速度は落ちると言うことです。
上の表をグラフにすると一目瞭然です。
初心者~プロまで平均時速はどれくらい?
私のデータをざっと振り返ってみると、正確ではなく感覚的なものですが
1年目:平均時速20㎞/h前後(山道も含む)
平坦のみなら27㎞/h程度
好調時:平均時速 28km/h前後(山道も含む)
平坦のみなら33㎞/h
最も早い時:平均時速40.4㎞/h(3時間のエンデューロレース)
と言ったところです。
一方プロレベルになると、ツール・ド・フランスのデータから見ると
平均時速:40.23㎞/h(2018年 3351㎞を83時間17分13秒でゴール)
ゴールスプリント:70~80㎞/h(推定)
下り坂:100㎞/hを超えるともあるそうな・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ロードバイクは更に空気抵抗の影響が多い
速度が速くなるほどに、空気抵抗が大きくなってきます。
15km/h:約50%
30km/h:約80%
40km/h:約90%また、空気抵抗は、速度の二乗に比例して大きくなる。
風の抵抗を感じやすいのは、下り坂でペダルを漕がない状態で、上半身を伏せる場合と起こした状態で明らかに速度が変わるのが良く分かります。
ロードバイクで速度を35㎞/h⇒38㎞/hに上げるためには、30%の出力アップが必要
だそうです。速度が上がるほど風の抵抗が半端ないということですね。
初心者が目指すべき速度は?
私がロードバイク1年目の時は、速度よりどのくらい遠くに行けるかの方が重要であり、あまり速度に関しては拘ってはいませんでした。イベントなど多く参加するにつれ、巡行速度30㎞/hで走れるようになると結構早い部類なのかと何となく思っていました。
なんとなく切りもいいですし、ググると大体30㎞/hが目標値になっているように思います。
初心者でいきなり時速30㎞/hはかなり厳しいと思います。上で書いた様に一瞬なら時速30㎞/hは余裕で出ると思いますが、少なくとも1時間程度(距離にして30㎞)を時速30㎞/hで走るのは結構難しいと思います。まずは、25㎞/hを1時間継続出来ることを目標にしてみると良いと思います。
結局はパワーメータでの測定が大事
速度はあくまでも目安でしかありません。同じコースでも風の条件が一緒なことはありません。例えば風速5m/s(18㎞/h)の追い風なら、楽に30㎞/hは出せますし、向かい風なら20㎞/hを出すのも厳しいでしょう。
そのため、やはり気象条件やコースに影響されないパワーで計測しどれくらいで走っているのか測定しながら走るのが正確な実力が分かります。
まとめ
結局のところ、時速はあくまでも目安ということですが、ロードバイクを知らない人からすると、ロードバイクの速度が速いことに驚くと思います。下りなら、普通に乗っていても法廷速度を超えるスピードは出せますから。
ただし、その分裸同然のロードバイクですから転倒した時には、かなりのけがとなってしまいます。一般道ではあくまでも安全運転を心掛けましょう!