パワーメータは、トレーニングの強度の数値管理、自身の成長を数値で捉えたり、ペース配分をコントロールしたりとロードバイクに乗る上でとても便利なツールです。
最近は値段がかなり手頃になったとはいえ、まだまだ高価なアイテムであることには変わりません。そのため、手軽にパワーメータを自分の愛車に付けるという訳にはいかないと思います。
そんなパワーメータですが、サイコンだけでパワーを測れるって知ってますか?
パイオニアのサイコンSGX-CA600では2019年11月に追加機能として『バーチャルパワー』なる機能が追加されています。
これってパワーメータなしでパワーが測れる画期的な機能です。実際にパワーメータの値と比較検証したので紹介します。
SGX-CA600の新機能【バーチャルパワー】の実力は?
先に結論から言うと、そこそこ使える!以下の様な人にはおすすめできます。
- ロードバイクを始めた初心者の方
- パワーメータに興味があるけど迷っている人
- ロングライドでペース配分がうまくつかめない人
正直全然使えないだろうと思っていたのでかなり意外な結果でした。それでは詳細を説明します。
バーチャルパワーの仕組み
パイオニアのHPより
バーチャルパワーとは読んだまんまですが、パワーメータが無くてもバーチャル的にパワーを測定してくれる機能です。
パイオニアの説明を見ると、GPSから地形データとスピードを測り、スマホから風情報を取得して、あとは転がり抵抗、重さ、空気抵抗の固定値からパワーを算出するようです。
ポイントは風の情報をリアルタイムで入手しているところが新しいですね。
スマホでとSGX-CA600を連動させると、風情報を1時間に1度アプリからSGX-CA600に送信してくれるそうです。OpenWeatherMapよりデータを取得するようです。

転がり抵抗はアスファルトの上を25Cタイヤで走っていることを想定し0.004が標準で設定されています。あとは、空気抵抗は一般的なロードバイク乗車時の姿勢を想定しているとのことです。
バーチャルパワー機能を使えば、TSSやインテンシティといったパワートレーニングも可能となります。

と言う訳で、サイコン2個使用しパワーメータとの値を比較してみました!
リアルパワー VS バーチャルパワー

サイコンSGX-CA500&パワーメータでリアルなパワーを測定し、SGX-CA600にはパワーメータを接続せずにバーチャルパワー機能で、パワーの値を比較してみました。
検証は113Km、獲得標高800m、風もそこそこある条件で比較を行いました。
パワーが安定しているときは、かなり近い値を示します。追い風でスピードが乗るような場面ではパワーが低くでますし、反対に向かい風でスピードがでないかパワーは出るので風の情報を使っている分、リアルなパワーの値に近くなるのでしょう。
上り坂は、パワーが一定になり易いのでかなりリアルパワーとバーチャルパワーの値が近くなります。瞬間的なパワーの変動には弱いですが、安定したパワーを出しているときは、精度よく測れるようです。。
これはちょっと頂けませんね。ペダルを回していないのにパワーが出力されます。できればケイデンスの情報も加えてくれると更に精度が上がりそうなのですが・・・
113キロ走った結果は?

平均パワーを比べると
- リアルパワー:179W
- バーチャルパワー:174W
これは驚きの結果でした。瞬間での値は当然違いますが、平均するとかなり近い値を出しています。パワーメータなしでここまで測れるのはかなりいいですね。
また、TSSも測れるので精度は高いとは言えませんが、それなりに参考になると思います。

まとめ
サイコン一つでパワーが測れるなんて、なかなかやりますねパイオニアさん。この技術は、シマノに移っても使えると良いですね。
パワーメータが無くても、近い値がでれば初心者も自分の実力が把握できるし、ロングライド時のペース配分の目安にもなりますしね。
サイコンを新調する時に一つの選択肢としてSGX-CA600はありかも知れません。パイオニア製としては、20年3月末で販売中止となるそうですが・・・
パイオニアについて
ペダリングモニタでおなじみのパイオニアのパワーメータですが、2020年3月末をもってペダリングモニター、サイクルコンピューターなどの販売を終了するそうです。
今後は、シマノがパイオニアの電子技術やIT技術を取り込み、製品、サービスの機能拡充を図っていく予定とのことなので、少し期待できる面もありますが。
ペダリングモニタできるパワーメータとサイコン(SGX-CA600)はパイオニアしかできないので、シマノに移っても機能を継承&向上してほしいですね。