仲間と一緒に走ったり、イベントやレースで他のサイクリストと一緒に走ると見えてくるのが、自分の弱点。
例えば、平地だと楽に付いていけるのに、激坂が苦手とか、スプリントが掛かると付いていけないなど、脚質は人それぞれです。
パワーメータで分析する使うことで、自分の弱点が明確に見えてきます。弱点が分かれば、弱点を克服するための練習方法も見えてきます。
パワーメータは走っている時にも当然役に立ちますが、蓄積されたデータを分析し、そのデータを有効に活用することが真の役割でもあります。
まだまだ自分も勉強中ですが、
パワーメータを使って自分の弱点はどこなのか?
また、弱点を克服するにはどんな練習が必要なのか調べてみたので紹介します。
パワーメータで自分の弱点を知る方法
パワーメータとは、ドラゴンボールで出てくる戦闘力が測れるスカウター的なアイテムです。
このパワーメータで走行データを積み上げていくと自分の特性が分かります。特性とは、短時間で高出力を出せる瞬発力タイプや長時間に渡って出力を維持できる持久力タイプと言ったことです。
自分の弱点を知る上で、パワーメータを使えば以下の2つを調べれば見えてきます。
- パワープロフィール
- 疲労プロフィール
パワープロフィールを調べてみる!
パワープロフィールは、5秒・1分・5分・60分の時間の最大パワーを体重で割った値で表します。この4つの時間は、それぞれ、神経筋パワー・無酸素運動容量・VO2MAX・LT(乳酸閾値)を特性を評価するのに代表的な時間だそうです。ここでは難しい説明はしませんが、簡単にいうと、瞬発力と持久力の違いという感じですね。この記事では言葉はあまり重要ではありませんので時間の長さで見て頂ければいいです。
パワー・トレーニング・バイブルによれば、この値から自分がどのレベルの実力があるのか分かります。レベルがは世界クラス~一般(トレーニングなし)レベルまでの8段階。
評価 | 5秒 | 1分 | 5分 | FTP (60分) |
世界クラス | 23.70 | 10.93 | 7.08 | 5.96 |
国内トップクラス | 21.92 | 10.24 | 6.46 | 5.42 |
優秀(カテゴリーⅠ) | 20.15 | 9.55 | 5.84 | 4.89 |
上級(カテゴリーⅡ) | 18.37 | 8.86 | 5.22 | 4.35 |
よい(カテゴリーⅢ) | 16.59 | 8.17 | 4.60 | 3.82 |
まずまず(カテゴリーⅣ) | 14.81 | 7.48 | 3.98 | 3.29 |
普通(カテゴリーⅤ) | 13.63 | 7.02 | 3.57 | 2.93 |
一般(トレーニングなし) | 11.85 | 6.33 | 2.95 | 2.40 |
ちなみに19年9月時点の私のデータで調べてみると・・
持続時間 | 生理的能力 | 最大パワー出力 (W/㎏) | 評価 |
5秒 | 神経筋パワー | 15.92 | まずまず~よい |
1分 | 無酸素運動容量 | 7.04 | 普通~まずまず |
5分 | VO2max | 4.42 | まずまず~よい |
FTP(60分) | LT(乳酸閾値) | 3.35 | まずまず~よい |
まずます~普通のレベル。まぁそんなもんでしょうと言う感じですが、持続時間1分のところだけ評価が低め。ここが私の弱点と言えるでしょう。
確かに身に覚えが・・・
疲労プロフィールを調べてみる!
パワープロフィールでは見えないより細かい特徴は、疲労プロフィールと呼ばれるものを調べると見えてきます。
パワープロファイルでは4つの持続時間の特性を見ていましたが、疲労プロフィールはその4つの持続時間を更に細かく見ていきます。
レベル | 時間領域 |
---|---|
レベル7:神経筋パワー | 5~20秒 |
レベル6:無酸素運動容量 | 30秒~2分 |
レベル5:VO2MAX | 5~8分 |
レベル4:LT(乳酸閾値) | 20分、60分、90分 |
陸上の場合、例えば、一口に短距離選手と言っても100m、200m、400mを全力で走った場合、同じスピードでは走れません。ロードバイクの場合は、5秒で出せるパワーに対し、10秒、20秒で出せるパワーがそこまで減少するかで、疲労に対してどのくらいの抵抗力があるか分かると言ったものです。
この疲労抵抗力を各レベルで5段階で評価していきます。基準と自分の結果を調べると以下の様になります。
レベル | 項目 | 持続時間 | パワー値(W) | 基準比 | 判定 |
レベル7 神経筋パワー |
基準 | 5秒 | 995 | ||
評価① | 10秒 | 866 | 87% | 優秀 | |
評価② | 20秒 | 723 | 73% | 平均以上 | |
レベル6 無酸素運動容量 |
基準 | 30秒 | 557 | ||
評価① | 1分 | 440 | 79% | 平均 | |
評価② | 2分 | 322 | 58% | 平均以下 | |
レベル5 VO2max |
基準 | 3分 | 307 | ||
評価① | 5分 | 276 | 90% | 平均 | |
評価② | 8分 | 272 | 89% | 平均以上 | |
レベル4 LT (乳酸閾値) |
基準 | 20分 | 238 | ||
評価① | 60分 | 208 | 87% | 平均以下 | |
評価② | 90分 | 201 | 84% | 平均以下 |
レベル | 項目 | 持続時間 | パワー値(W) | 基準比 | 判定 |
レベル7 神経筋パワー |
基準 | 5秒 | 995 | ||
評価① | 10秒 | 866 | 87% | 優秀 | |
評価② | 20秒 | 723 | 73% | 平均以上 | |
レベル6 無酸素運動容量 |
基準 | 30秒 | 557 | ||
評価① | 1分 | 440 | 79% | 平均 | |
評価② | 2分 | 322 | 58% | 平均以下 | |
レベル5 VO2max |
基準 | 3分 | 307 | ||
評価① | 5分 | 276 | 90% | 平均 | |
評価② | 8分 | 272 | 89% | 平均以上 | |
レベル4 LT (乳酸閾値) |
基準 | 20分 | 238 | ||
評価① | 60分 | 208 | 87% | 平均以下 | |
評価② | 90分 | 201 | 84% | 平均以下 |
この結果より、10秒前後のスプリントはそこそこ良いが、2分とロングスプリントは苦手の様です。また、60分、90分も平均以下なので、まだまだ体力不足なのでしょうか?
この結果は、非常に自分の特性をよく表しています。自覚している弱点は、長めの上り坂で集団に良く引き離されること。まさに、過去のデータを見ていると、2分前後の坂では、息切れして上り坂の頂上付近で失速するなんてことが多々あります。正しく弱点が数値的に見えてくる結果となりました。
数字にもばっちり表れていますね・・(;^_^A
弱点が分かるとどんな良いことが?
さて次に、弱点が分かったところでどう活用していくかがカギになります。活用方法としては、いろいろあると思いますが、今後自分が活用したいポイントは2つ。
- 弱点を理解して、弱点を強化しよう!
- 弱点を理解して、レース展開を考えよう!
弱点を強化しよう!
[quads id=2]
単純ですね。弱点を練習によって強化すれば良いということですね。これもパワーメータがあればこそ、ピンポイントで弱点強化ができるメリットは大きいですね。
具体的には、見えてきた弱点のレベル域を意識した練習を実施することです。
管理人の場合は、レベル6:無酸素運動容量が弱点なのは明白なので、このレベルでのインターバルを実施する必要があります。
具体的なメニューは、パワー・トレーニング・バイブルを参考にすると様々なトレーニング方法が紹介されています。
一例を紹介すると、
メニュー | 時間 | 回数 | 目標パワー:FTP比 | 説明 |
ウォーミング・アップ | 15分 | 1 | 56-75% | 楽なペース |
メイン・セット | 2分 | 8 | 平均130%以上 | 回復走2分 なるべく強く踏む FTP120%以下でストップ |
メイン・セット | 1分 | 3 | 平均140%以上 | 回復走2分 できるだけ強く踏む FTP120%以下でストップ |
クール・ダウン | 15分 | 1 | 56-75% | 楽なペース |
辛いのでこの領域はほとんど練習したことなし・・(;^_^A
メニューはパワー・トレーニング・バイブルを参考に!
弱点を理解して、レース展開を考えよう!
弱点が分かれば、参加するレースのコースプロファイルから、どこが自分の弱点なのか事前に把握して、それなりの作戦を立てることも可能です。
自分の場合は、2分程度の上りがまずあるのかどうかを確認。この坂では引き離されることが十分考えられるので、作戦としては、坂の前になるべく集団の先頭に出ておき、上りでは集団先頭から後方に順位を落としながらでも、何とか集団に残る。などの作戦が考えられます。
また、ゴールが2分程度の上り坂なら、その前に逃げておかないと、順位は上げれないのは確実なので、事前に仕掛けるなどの作戦を考えておくことができます。
そもそも、苦手なコースでは練習と割り切り参加すると言うのも有りだと思います。
この様に、作戦を立てずにレースに参加するのか否かで、レースでの結果、目標が違ってくるのではないでしょうか?
パワーメータでの分析で思ったことは?
パワーメータを使用して既に3年近く経っていますが、きちんと分析して活用していないことに今更ながら気が付いています。確かに、分析なしでも、ペーシングのためにパワーメータを使用するだけでも十分に価値がありますが、本来の目的はデータを分析し、活用することにあると改めて感じています。
特に練習では、自分の得意不得意など意識せずに、専ら練習コースのタイムを更新することが練習における第一優先となっていました。まぁ、ストラバでのセグメント更新も楽しいですし、モチベーションにもなっていますが・・。
ただ、科学的な練習になっていないのと、練習メニューが大体偏っていたので、その結果、練習している神経筋パワーやVo2MAX領域ではそこそこ力がついているのに対し、無酸素運動容量はほとんど練習していないので、平均以下とダメダメな結果になっています。
普段の練習は、平日の朝練で10分超をFTP以上の全力走、および10秒程度のインターバルを主に行っています。また、土日は2時間以上でFTPの76~95%程度のテンポ走・スイートスポットでの練習がメインです。
つまり、無酸素運動容量(30秒~2分の領域)を鍛える練習はほぼしていないで、その領域の判定が悪かったと思います。
おすすめのパワーメータは?
パワーメータは数年前に比べると低価格化が進み、導入のハードルは随分下がりました。とはいっても、まだまだ高い部類であることは確かです。そんなパワーメータのおすすめをまとめてみました。
安価で購入しやすい|4iiii(フォーアイ)左クランクのみ
最もコストパフォーマンスが良く、中華製よりも安心感があるという理由でおすすめできます。さらに、左クランクのみなので、取り付けも簡単。届いた日にポン付けできる手軽さもおすすめな点です。
左クランクのみなので、パワーは単純に2倍してパワーをサイコンに表示してれます。
海外通販ならアルテグラで3万円台、デュラでも4万円台。まず導入してみたいという人にとっておすすめです。
- 安価でパワーメータを購入したい。
- 中国製はちょっと不安
ペダリング効率もわかる!パイオニア ペダリングモニタ!
ペダリング効率も計測可能!
既に販売中止となっていますが、装着率は高めのパイオニアのペダリングモニターです。
パワー計測はもちろんのこと、ペダリングの効率を数字やグラフで示していくれるパワーメータです。自分のペダリング効率の悪さに愕然とするかもしれませんが、ペダリングを改善する意識は高まります。
新規購入はできませんが、市場に出回っている数は多く、ヤフオクなどではかなりの数が出回っています。傷などがある場合は格安で手に入れれる可能性もありおすすめです。
ネックはペダリングモニタ表示ができるサイコンがパイオニアかwahooに限られる点ですかね。
- ペダリングも上手になりたい!
スパイダー内蔵型|Rotor Inspider
クランク長を手軽に変えれるクランク別体型!
装着率は低めですが、クランク別体型のパワーメータです。両足計測可能も可能です。
パワーメータはクラック一体型が広く普及しているように思います。その為価格も手頃になっています。しかし、クランク長の変更を考えると、両側のクランクと共にパワーメータも買い換えとなるのがデメリットとなります。
近年ショートクランク化が話題となっており、筆者のような身長165㎝と低い場合、パワーメータの選択しがほとんどありません。
このRotor inspiderはクランクのみ交換が可能で、しかもクランク長は150㎜~あるので、女性や小柄な方にはお勧めです。
楕円リングの導入も考えている人には、最適な楕円位置も分析できる点もメリットです。
デメリットは、アクスルシャフトがシマノの24㎜と違い30㎜なのでBBも含めて交換となる点です。
- クランク長を換え可能性がある
- 身長が165㎝以下の人(クランクが短い人)
ペダル型 ガーミン VECTOR 3
信頼のガーミン!LOOKクリート愛用者ならおすすめ!
クリートがLOOKの人にはおすすめのガーミン VECTOR3!バイクを変更してもペダルを移すだけなので、複数台所有している人にもおすすめです。
流石にガーミン製だけあって、ガーミン製サイコンとの相性は抜群です。
ROTORのINSPIDER同様、クランクの交換もペダルを移すだけなので済みます。
また、ペダル式なのでできるペダルのどこに力が掛かっているのか分析可能で、カント調整などにもできる優れもの!
- LOOKクリート愛用者
- 複数台所有の人
まとめ
パワーメータは自分の弱点を丸裸にしてくれる便利なツールです。長期的に見れば、ホイールなどの機材よりを買うよりもメリットが大きいと思います。
ロードバイクは、パワーメータを使用することで、プロ並みの科学的な管理がでる数少ないスポーツだと思います。一度このメリットを知ると、パワーメータなしでロードバイクになるのは勿体ないとも思います。中々、管理は面倒で難しい面もありますが、自己成長をパワーメータで見える化し、効率の良いトレーニングを行っていこうと改めて感じています。
【弱点を調べる!】
- パワープロフィール
- 疲労プロフィール
【活用方法】
- 弱点を強化する練習を実施
- 自分の強みと弱みを考え、レース展開を考える!